2020/04/22 12:00

6月に発売予定のMX-7S


予約詳細についてはまた後日アップします。



またやんのかこの企画w


と、言いつつもですが、

過去記事にほぼほぼの事は書いてきました...



ココの記事とか
https://blog.ap.teacup.com/bouken/685.html
この記事とか
https://blog.ap.teacup.com/bouken/714.html
ユーザー目線では森さんの記事とかもね
https://monsternet.base.ec/blog/2019/01/13/080000





書いてきました。

書いて....きてま

書い...

あれ?


あら?




俺そういえばこの竿についてまとめた事なかったんだ、一度も(汗



まじか。




そんなわけでちょっとまとめてみました、ヨシダ目線のMX-7S



成り立ち、
こだわりどころ&コンセプト
実釣シチュ


ザクっといきます。

上手じゃ無いからね、長くなるぞ。


いくぞ!

MX-7S





そりゃ2017年かな。


主にベイトリール使用を前提としたランナップだったディアモン。
応急的なものだったり、荷物の削減をすることに重点を置いての開発なので

ベイトモデルの“MX”モデルに採用している


スピニングモードで


まぁ、これで当座の事はどうにかなります。


ただ、1日スピニングを振り続ける

さらにもう1歩踏み込んだ、


スピニングロッドがいいなぁ


じゃなくて、


スピニングロッドが必要



ってシチュに出会うことが増え、必要性を感じていました。




で、色々と考えた末の着地がMSX-71
欲しいもの全部ぶっ込み&贅沢仕様
大体1回目はなんでもやりすぎるものだけど、ホントソレだった。


限定モデルだったものの、要望は尽きなかったので
ガイドとグリップを変更し、廉価モデルにブランニュー


MX-7Sとして販売を再開、今に至ります。



ブログ読者さんなら既知であろう仕舞寸法、継や互換構造などの話は今回は差し控えるとして
(ここが一番手間でコストと設計の時間食う部分、自作したらわかると思うよ)

こだわった部分の大きなところとして

1、ブランク

2、ガイド

3、グリップ

まぁ、どのロッドも大きな要素はこの3つとバランス取り
ビジュアルとか細かなところは好みなので割愛。



ほとんどの仕事をMSX-71製造時に終えてますが、
その後の洗い出しも含めてまとめてみます。



1、ブランク

小塚はどうだったのか?ですが
設計時に私ヨシダとしては意識にあったのがハートランドの震斬742、FD274M
どちらも名竿中の名竿、震斬は初代を所有していたし、274Mはバンタムモデルを今も所有してます。

ただ、ただ、ソコを後追いしてもどうしようもないんですよね
村上さん、奥田さんの欲しい!と思ったものが具現化してるものなので、
お二人の欲しい!が自分にとっての欲しいと必ずしもリンクするわけではない

ただ、本来の目的とは??だけど、両モデル相当にマルチパーパスに使えたのは事実

リバーシーバスから、エギング、琵琶湖のライトキャロからメバルのフロートリグ、ロックフィッシュの遠投ゲーム、本流トラウトからシイラまで...

このパワーレンジ、レングスでもうちょっと。。。して。。。。。して。。。。な感じで
。。。して、。。。。して。。。。。でモバイル化できたら面白いやろうなぁ...
と、いつも思ってた。

まぁ、時同じくしてユーザーさんからもそういった声が上がってた頃だった。


まぁ、やりますか?

と、開発をスタートさせたわけ。

ブランクはパキパキでも恐怖感あって使えないし、かといってただただ曲がってダルくても気持ち悪い。
曲がってくれてもリフトアップしてくれなきゃ意味ないし、張りがありすぎても弾いちゃう。
両立させないといけない要素が多すぎる。

「あぁ、やっぱりこれ系のブランクって頭悩ますなぁ...」


と思ったのを覚えてます


ちなみにMSX-71とMX-7SはMX-7のブランクを使いまわしてのスピニングモデル...と勘違いされてる方が相当多い


違うよ、全然別物をゼロから作ってます。


カーボン特性はもちろん、マンドレルも別物。

ウチの竿、その辺を使い回しできない、だから高いんだ。

そもそも仕舞寸法からして違うしね


もう一度言うけど、全く違うブランクだから、そこは誤解なきように


(MX-7にスピニング用にガイドつけたトンデモロッドも作ってみましたが、強すぎ故にドラグの介入タイミング早すぎてロッド曲げれない)



そんなわけでゼロからスタートしたブランク設計。
コレまでのディアモンに課してたの条件

共通バット径、順並継、フルカーボンブランク


中でも

10kgのリフトアップテストクリア

これって、このクラスのスピニングで必要ですか?と思いつつも、
遠慮なく、曲げれる竿にしたかったら、キツイ条件だけど、結果コレで良かったと思う。



コレ、テスト時のブランクサンプル、手巻きでガイドつけてセッティング出してました。

そんなこんなで、あらかたブランクが定まった

パキパキではない、曲がる、ドラグを出す、合わせ技で魚を手にするブランクだ。

「これならイケる」

と、確信した。

個人的には常用ではドラグはキツめ、ロッドの柔軟性でバラしをいなし
#3曲がり始めたらドラグを再設定して魚を走らせ
#4が曲がるレベルになればロッド角度を見直し、急がず長期戦に持ち込む。
こんな意識で魚とファイトしてますし、そんなブランクよ。





次はガイド。

MX-7Sも他モデルと同様、ダブルフット&ダブルスレッドを採用してる。

スピニングとなれば、より一層ロッドが曲がることが重視される。
だからこそダブルフットガイドやダブルラッピングは無駄でしかない装備ととらえる人も少なくない.....かもしれない。




そのまえに、そもそもダブルフットって何って方もいるので今一度ご説明。


こんな形状のもの
スレッド(固定用糸)を巻くフットが2つ(ダブル)ある。


シングルフットは


こんな形状、フットが一つ


どうせなので、そもそもダブルラッピング?ってなに?って方にはコレ


シングルラッピングはブランクがありまして



ガイドをこうしてスレッドで巻いてとめたもの


ダブルスレッドは


先にブランクにスレッドを巻いて



その上にガイドを設置

こうすることで、ブランクへ直接フットが触ることなく、ダメージが’入らない


ガイドをスレッドで固定したもの。

個人的にはダブルスレッドの方が、エポキシの馴染みがあるからか、
エポキシ剥離が少ないなと感じてる。


話を戻して、ダブルスレッドのメリット、デメリットは何よ?となると。

デメリットとして

ガイド価格も基本ダブルフットの方が高いし、ダブルスレッドは正直、スレッド巻きのコストは2倍、
修理も同じく全ての工程が2倍なので、費用も2倍
まぁ、手間ですよね。


正直、ビックベイトぶん投げるロッドとか、オフショアロッドに採用されることがほとんどのにダブルフット&ダブルラッピング。
Hクラスのバスロッドとかでもバットから2、3個目まで採用ってのがほとんどじゃないかな?
ティップまで入ってるのってそうそう無い。

もちろん、重量は増加するし(フィーリングがダルくなる)、ベンドの邪魔にもなる(シングルの方がスムーズに曲がる)
先述の通り、コストにも思いっきり跳ね返る。

でも、ディアモンシリーズはMX-0以外、全てのロッド、全てのシリーズにダブルフット、ダブルスレッドを採用してます。

ハードに使うMX-∞から、ライトクラスのMV-55、そしてMX-7Sにも。



良いことばかりじゃないのは理解してる。

けど、ゼロからブランクから作るんだもの、

抱えるネガティブ要素をカバーできるブランクを製造すればいいだけ


これが、出来上がりのブランクを刻んで竿を作るか、ゼロからブランク焼くか?

作るか、それとも創るか?違いじゃないですかね。


「欲しいものがなければ創る」







これほどのヘビーデューティーさがこのクラスのロッドに必要?と言われることも多い

けどさ、もう、返答としては

「ココ一番の規格外の獲物、想像もし無いシチュに対応できなくてどうすんですか?」


ここに尽きる。
完全なオーバースペック

だけど、不意の’一撃に「あ..これは..」と思考巡らせる瞬間、

道具に不安その一瞬に道具に遠慮、躊躇、迷い、不信、不備はあっちゃいけないと思うんですよね


を遣うのは糸の先、その一尾で十分だ。





もちろん、ガイド自体も選択肢は色々あるわけです


何故ゆえにまずはダブルフットガイドなのか?かと言われたら



我々の使い方ではシングルフットは曲がる&抜ける



と、言い切れるから。


これの意味がわからない方なら、この項目は読み飛ばしてくれて良いけど、
長く釣りをしている人なら経験があると思う。

だから、エクスペディションモデルとして設計しているディアモンには現状、すべてのモデルにダブルフットを採用している。



欲をいえば、軽量と言う意味ではシングルフット、チタン、トルザイトが最高峰なのは間違いない


これは実際に使用して、手にして理解できる。
(2020年段階これが軽さの究極、それゆえにNudeには採用した)

だけど、それが遠征となると?


シングルフットは悲しいくらい曲がる


構造上仕方ない。

気持ち悪いからって、現場で曲げ直すと、最悪金属疲労でパキンとガイドが折れたこともあった


モバイルロッドである以上、輸送時のダメージには気を使いたいところなんだけど、気をつけようにも限界はある。


これ、私物のMX-7のバットガイドPKWSGの12番

(同じ番手だけど手前のガイドが変な角度になってるの分かる?エポキシも多少は浮いてるけどこれくらいは全く問題ないよ)

時にはステンフレームでWフットですらこうなる

ちなみに気づいてからも使い続けて、どこでガイドとしての仕事をしなくなるか?
ブランクへのダメージはなかったのか?試し続けてる

こんな魚もとってるけど


問題ない。



Wラッピングでよかった...と思った瞬間だ。



コレが僕らの道具使いのリアル。




もちろん、シングルフットガイドだからこその仕事として、曲がって、撓って、ラインやブランクへの負担を減らすのも事実。

ダイレクト感は死ぬと思うけど
どこを何を求め、追いかけるか?コレがロッド設計の面白さ、難しさだと思う

ウチとしては航空機移動、バックの中での圧力、不意の事故での破損は絶対に避けたい。

だからこその補強も含めての ダブルフット&ダブルラッピングなのだ。


もちろん重量の増加は否めない。

なので
MSX-71=チタントルザイト

(チタンって刻印入ってるの分かる?)
思想は原価無視性能最高峰、極上を放り込んだ



MX-7S=ステンsic

思想は普及モデル、ただ、必要十分、快適に使えるものである。

と、いうのも話を正すと。

MX-7Sは最初は販売する気なかったんですよね


なんでって、Sicリング&ステンガイド入れたら操作感ダルかったから

が、MSX-71テスト中に

Sic-Sリングなるものが富士工業から発売された



ん?何?Sリング?


ってのは以前も書いたけどコレ。




左からトルザイト、SIC-S、SIC-J



チタントルザイトとステンSic(J)比較


ちなみにリング系は外径なのでリング厚の薄いトルザイトの方が同じ口径でも大口径と言えるわけだ




Sic(S)だとこんな感じ



左がトルザイト、右がSiC(S)
この通り。




ガイドサイズがでかくなるほどに、ガイド個数が増えるほどに材質による重量差が大きくなる。



そんな違うの、たかがガイドで?
高い高い言うけど、トルザイトってそんな違う?
って、よく言われますが



違う、全く違う。

と、断言できる。

こと軽さについては数字ですからね。


で、初期プロトではSIC-(J)が入っていましたが、
SIC-(S)をプロト品に導入し、テストして

Sリングならばいける..!!!と。


コレが、MX-7Sが世に放たれる経緯です。



最後、グリップ。


まぁ、オールドスクールとも言える形状のMX-7Sのグリップ



MSX-71と比較して3インチの延長となりました。

リバースさせることでリールポジションも変更になるので、どっちで遊ぶか?は自由なところ。


ある意味互換システムの一番美味しいところを突いたかもしれないね




で、当時採用は相当に悩んで....結果採用したのがコレ。

TWBC

可変タングステンウェイトバランサー




画像じゃ2枚なんですが、モンキスからのサービスとして標準で3枚装着させてます(最大で5枚装着可能)


似たようなパーツで
EWBCってのもあるんですが、ウェイト交換が面倒(ドライバー必要)なので実用的ではないかなと思い採用を見送ってます。


正直MSX-71にはTWBCは仕方ないとして、MX-7SにはEWBC入れようか相当悩んでた。

けどさぁ、折角使うなら....ね?
ってところに話が着地した訳です。


で、TWBCを導入した狙いは

使うリールサイズに幅があるから


標準的にはシマノの2500~C3000あたりがバチっとハマるようにバランスとって設計しましたが、


場合によってはC2000、C5000なんかを使う方もおられる。

その場合、使用目的とロッドのバランスが異なると使いづらいですよね
と、いうのも

ティップを上げて使いたいのティップが下がる、その逆も然り。

バランスに逆らってのロッドワークは非常に疲れるもの

最大の重量物であるリールの重量、そしてグリップのリバース、バランサーウェイトの増減で相当バランスは取れるので

まだ試してない人には是非とも試してもらいたいところ




こんな感じでパーツの要点をまとめていったけど

ディアモン共通のコンパクトさ、タフさを兼ね備えつつ、
僕らの思うスピニングにおけるバーサタイル性の注力した1本。


他のディアモンと比較して、スピニングゆえのドラグ、スラッグを生かした仕事が適任。

ショアからの1本として、自信をもってオススメできる1本です。



実際のところベターかなってセッティングは

ラインは〜PE2号程度、MAXで3号だけど、2号以上での使用はちょっとドラグセッティングに慎重になった方が良いです。
合わせると自ずとリールはC3000クラスに着地するかなと

ルアーは快適に使えるのは5~25g程度がスイートではあるものの、MAXで60gほどまでは可能、常用は45gまでがベター。

エギなんかも実際4号でも大丈夫だけど、快適なのは〜3.5号、3.5deepくらいからエギの動きがしんどいかも。

ワインドも1/2oz程度のジグヘッドにR32あたりがベスト、よく動いてくれるはず。

シーバスなんかだと最近の大きめのルアー(フランキー145とか)でも仕事してくれるかと。




とある遠征後のボックス内
ほぼMX-7Sで通した釣りですが、全てのルアーキャストしてました




モデルを続々増やして手数を増やすのも釣りの楽しみではあるが、

国内外遠征先でそんな道具をガサガサ持っていけるシチュは多くもないはず。

それよか如何に潰しが効くか

“得意”が多いより、“苦手”が少ない。


こそが重要なポイントじゃないかと思います。

突き詰めたバーサタイル性は場所、魚種を選ばない1本になりました。

個人的にはちょっとした離島遠征なんかにもってこいのロッドに仕上がってるので、

ランナー系なら小型〜中型トレバリーから、グルーパーまでどんとこいと言った感じ。



special thanks Mr Nakahata


個人的にはレバーブレーキ系リールの導入で
更にこのロッドの(ブランクの)のポテンシャルを引き出せるんじゃないかな?と。










で、まぁ、過去写真を巡れば....

人に勧めて、全く恥ずかしく無いロッドに仕上がった


ライトゲームの域は相当なところまでカバーできる出来だ。


  

 



フカセイスズミ







































昨年の北海道バカンスでも大活躍


  

どんだけ7Sあるんだw





とにかくハードユーズしてくれるユーザーさんが多い一本。

竿曲げ巻くって、ドラグ効かせまくれば、取れない魚はそうそう無い。


それを体験させてくれるロッド




発売は6月中旬、
MX-1と合わせて近々予約開始します少々お待ちください!

ヨシダ