2021/09/11 20:52

ブランクの素材、ギミックに続いての3回目

ブログの最後にはもれなくプレゼントが貰えるキャンペーンについてもお知らせ!
最後までチェックしておくれ!



そんじゃ行ってみよう!


ディアモン(5万円後半)と比較すればHUNTERSは3万半ば

価格は下がったものの、設計は単純化するどころか複雑化、要は非常に手間がかかって…ます



そんなHUNTERSのトリセツ最終回はガイドやグリップなどの細かなパーツについていってみよう

「あ、そう…」

と、一番流しそうな部分なんだけど、ここらのパーツでロッドの性格は大きく変わる!
車でいえば、ブランクはエンジン、ガイドはサスペンション、グリップはタイヤってところ
つまりは、ベース素材の良し悪しを補正、使用感をかなり左右する部分なのだ
だからこそゴリゴリに突っ込んでいくぞ


1、ガイド
HUNTERSは富士工業KWガイド、ステンレスフレーム、アルコナイトリングを採用


(ぱっと見わかったら、オタクです、ガイドオタク認定する)
アルコナイト?って聞いたことない人もいるかもですが、ガイドリングの種類の一つです。
何年も経つけど、某社のとある廉価版バスロッドに導入されたことで耳にした人も少なくなかったはず。
 
なぜこのガイドを使用したか?

結論から言うと「信頼できるKWガイドを使いたかったから」。

 

 

価格で言うと
ガイドリングは高い方から
トルザイト>Sic>アルコナイトの順
 
なお、フレームは
チタン(軽く高い)>ステン(高強度、安い)
 
 
「なんだ、安モンか」
 
と、思うなかれ。
 

アルコナイト&ステンレスフレームのメリットは圧倒的なコストパフォーマンス。


数値で見てみよう
 
ガイドにおいて重要な
 
硬度についてはビッカーズ硬度で
Sic2200~2400
トルザイトが1300~1500
アルコナイトが1500~1700
ちなみにステンレスが200前後
ダイヤはが6000~7000



どいつもこいつもウッカリとコンクリとかのゴリゴリ擦っても削れないし
村田さんがヤスリでゴリゴリしたところで削れないわけだ。

 


(初めてみた人、これ衝撃よね)
 
 
ラインの放熱性放熱性については
Sic60
トルザイトが27
アルコナイトが46


比重は
Sic3.2
トルザイトが3.3.
アルコナイトが4.2
 
(以上、吉田調べ、異論は認める、問い合わせくれ!)

 

つまりモンキス的解釈は
1、       総合性能と価格のバランスならSic
2、       圧倒的軽さ、そしてガイド内径稼ぐならトルザイト
3、       価格ならアルコナイト
と、なる。
 
もちろん上記の数字だけがガイドの全てではない。
表面処理や成型の自由度など、様々な要素を踏まえ、総合性能は決まる
 
アルコナイト1番のデメリットは重さだけど、
正直今回のHT-6/77/8だとさほど気になるか..というとそうでもない。
なぜなら?
 
<同じ6サイズのSicとアルコナイトリング比較画像>
 

左がHT-7/8、右がMX-7
 
 
 
違いわかる?
 
 
 
そもそものリングサイズが小さいか
16とか20とかになると、リングサイズもデカイので確かに差が出る。
 
数年前にSicリングの規格がSic-JからSic-sに切り替わったけど

(過去ブログ記事を参照
 
感覚としてはそれくらいの印象。
 

 

 

 

実績のある“KW”ガイドを乗せたかった。

 


 
モンキスではメインにKWガイドを使っている

ライン絡みの少なさ、強度、品質の安定性、
DearMonster シリーズで初代モデルのMX-71から採用、絶対の実績がある!


私物のMX-7のKWガイド、ここまでなってもまだ壊れない




(手前のガイドが曲がって寝てるのわかる?何が起きたんだか)
 
 
 
MVシリーズではチタンフレーム&トルザイトリングのKWガイドを採用。




(ドロドロになるまで使うし、フレームもゴリゴリに削れた小塚私物のMV-75)
 

そう、このガイドフレームは実績のカタマリなんだ。

 
コレだけの魚を相手にしつつ、


 

 



旅でのラフな使用にも耐え、







ライン絡みの回避、解消も早い。
 

 

 

 

 

話を戻して、
実はアルコナイトリングモデル、実は普通にお店には売ってない。


元々、国外販売専用ガイド。
価格都合もあるかもだけど、ソレこそタフユースを求められる海外市場でこそ受け入れられたガイドなんじゃないか?と睨んで使っている。
 
 
実際、リング強度もありパリパリ割れることもない..
 
 
 
HUNTERSのテスターにも聞いてみたけど

 

 




 

「良いものが高いことはあるけど、高いものが良い」かどうかはまた別の話だ。


 

なお、リングサイズについては
 
HT-6/7がトップから6-6-6-6-6-6-7-8-10-12(トップはMN、以下KW)
HT-7/8がトップから6-6-6-6-6-6-7-8-10-12-16
 
参考までに
MX-65.5-5.5-5.5-5.5-6-6-8-10-12
MX-76-6-6-7-7-8-8-8-10-12
MX-8+7-7-7-7-7-7-7-8-10-12-16
で、MVシリーズに採用しているトルザイトリングは肉厚が薄く内径を稼げる


2本は同じサイズのsicとトルザイト、違いわかるよね?
 
 
たまに
「モンキスの竿はガイドが小さい..」と言われるけど、テスト繰り返して常用ラインでは不足ないサイズにセットしている。
 
できることなら無駄に大きくしたくない。
ガイドサイズを無駄にデカくする=重くなり、途端にロッドってダルくなる。
HUNTERSはグラスコンポジットでそのクセが出やすいことも考慮したセッティング
 

〜ラッピング〜
以前も書いたかも?ですが
HUNTERSはシングルラッピング


 


ぱっと見はわかりにくいけど、断面にするとシングルラップは







ブランクに直接ガイドフット(シルバー)を乗せ、ラッピング(イエロー)で固定
ちなみにダブルフットは




ブランクにスレッド(ここではレッド)を巻いて、その上にガイドフット(シルバー)を乗せて、ラッピング(イエロー)で固定。


また、HUNTERSのスレッドは、ディアモンよりワンランク太いものを使っているんだ


シングルラッピングだが、強度は十分!
 

 

たださ、遠征先でのガイドの破損を考えると、ダブルフットだけは譲れなかった。

実際シングルフットのKT比較してもダブルフットのKWはライン絡みが圧倒的に少ない
今年、徹底してバスのフロッグゲームをやりこんだこともあり、再認識



(コレは他社ロッド、ティップがシングルフットで確かに軽く操作性は高い、けど、竿先にどうしてもPEが巻きがち)


ラインのスラックを叩いてアクションを出す。そんなライントラブル誘発するような釣りだったので、いい比較テストになった
 
もちろん、シングルフットのKTガイドなどを入れれば大幅な軽量化は可能だけど




最悪、ガイドが曲がるどころかモゲ落ちることも考えられる(過去にダブルフットですらモゲ落ちた事があった)
高負荷系の釣りでキャスト時にラインが絡もうものならスレッドからガイドごとスッポ抜けるもある。
長期間、シングルフットガイドの竿使っている方、大体曲がってない?

 

 
加えてシングルラッピングはロッドの重量を抑えることにも寄与してる。
ガイドやリングサイズの話と同様グラスコンポジットブランクの“良い性格”を引き出すべくの選択です。
 
たかだかガイドだけど、
ブランクがボディなら、リールはエンジン、ガイドはサス、グリップはタイヤやホイールって感じかな?使用感を大きく変えてきます。

 

 

 
〜グリップのストレート構造〜
実はグリップのEVAグリップにも拘っていて、いつもよりワンランク硬め(硬度高め)にして感度の向上を狙っている。




 
通常のロッドは硬度70度程度だと思うんだけど、HUNTERS75度程度
 
他社でいうと過去所有していた竿だとブリーデンのGRF83deepDepsのドムドライバーも硬かったな
硬い=振動伝導率が高い=情報伝達力(感度)の向上に繋がるぞ
グラスコンポジットのデメリットを補う工夫の一つ






グラス=感度悪い?
HT-6/7のプロトに至っては特に異常な感度に仕上がってて、小塚共々
「え???何コレ」と目を見合わせたくらい。(興味ある方は事務所にあります)


また、硬度が上がるほどにEVAの密度も上がるので、重量も重くなる。
コレもグリップにウェイトを乗せて、手元に重心を集める、バランサー的な効果を狙った。
ストレートグリップでEVA体積が多い竿だからこその工夫。
 
おなじみBRCも使ってのバランスももちろん、脇腹や腹に当ててのファイトも痛みを抑え体への負荷を抑えるよ




 
グリップ直径は細めにして、握り込んで力を入れやすいくらい。
採用したECSグリップはTCSと比較するとちょと薄めで握り込みやすい




上、HT-7/8、下MX-7
 
そして、最後は耐久性の高さ
EVA硬度が高い=削れにくいし、凹みにくい。
更には大物がかかってのビッグファイトでも指がめり込まないので、安定する
どことは言わんけど、触るとEVAがフカフカするロッドってタマにあるのよね
 
濡れ続けるオフショア環境でも滑りにくく、人工素材ゆえに品質も安定
(コルクは天然素材、結構価格やクオリティの変動があるのでディアモンでは毎度苦戦)
 
ブランク表面は外傷に強い特殊なテーピングを施し、補強してある。
事実上、ブランクのテーピング処理としては一番表面強度が出る。
 
 
と、これでザクっとHUNTERSについて触れてみた


 

 

 

総括すると
HUNTERSは何より上代制限を念頭において設計&製造したシリーズ。
 
設定した価格設定の中で何ができるか?
ディアモンを創り続ける中で積み上げた経験や技術を放り込んだ。
これはこれで制限されて苦しいか?と思いきや始めてみれば結構楽しいモノづくり、自由な設計を考え出す場所
 
ただただ、何のギミックもない、継数ももっと抑えて、シンプルなパックロッドを作る
となれば、更に安価なロッドも作れた….と思う
 
けど、ソレって、我々がやっても面白さ、価値はあるのか
HUNTERS以外にもディアモンのグリップ互換、MX-1、そして非鉛製品は気を衒った
ものなんかじゃない、旅の中で見つけたアイデアを具現化した、そんな僕らの経験と精神性の塊だ

 

 

 

流行りじゃない、雰囲気じゃない、机上計算じゃない、都合じゃない。

僕らの思う“怪魚”、“旅”、“遠征”、“未来”、“リアル”

そんなものの粋を集め、具現化したものの一つ。

その中でもロッドはかなりそのカラーが色濃く出る。

 

皆が着ている服、乗っている車、履いている靴、使っているスマホ

全て道具だ、だからこそ、持ち物には性格や精神性が現れる。

 

精神性というと大それた話だけど...でもさ、少なからずあるんじゃない?

 

 
〜キャンペーン〜

 

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9月13日受注分より開始です





発送時に同梱いたします、購入時に備考欄にサイズ (S,M,L,XL)を記入くださいませ。
 

数量限定なので早いもん勝ちよ!



 

 

 

 

 

 

ヨシダ