2021/08/26 15:30
そろそろアオリイカのシーズン
ケツが浮いてます、ヨシダです(怪魚よりイカ釣りが得意かも)
HUNTERS、3機種が販売中
このロッドに関しての質問で多かったのは、
「ハンターズとディアモンの素材の違いは?価格がこれだけ違うと何が違う?」
「どっちにしようか?悩んでる」
・ザクっと商品特性、スペックについてこのブログで書いてます
・このブログはコンセプト的なところかな
・このブログはテスターページへのリンクもあるのでチェックしてみて
が、どれもかなり浅く広く…だったので
今日はもう1歩深いところをお話しします
モンキス的には
高強度、高伸度、粘り=バラしにくい
・パックロッドであっても旅先で壊れない強靭さ
・大物に対してどこまでもロッドが曲がり込み魚に主導権を与えない粘り強さ
・そして高い追従性による魚をバラし軽減
この3つを実現するためにグラスコンポジットブランクを採用
(欲張りな竿だな、オイ!)
でも書いてるところを深掘りしていこう
DeartMonsterとHUNTERSの1番大きな違いはHUNTERSのブランクスが“グラスコンポジット”であること
はにゃ?ぐらすこんぽじっと?って何
マズはココから掘っていきましょう
カーボンロッドの原料はカーボン糸にレジンを含侵させてシート状にしたモノ、いわゆるプリプレグ
グラスロッドは原料がガラス繊維にレジンを含侵させたプリプレグ
グラスコンポジットはそのMIX
それぞれの特性として
〜フルカーボンロッド〜
フルカーボンの特性が生きた、高弾性パキパキの竿、
私が頭に浮かぶ高弾性フルカーボンといえばポイズンアルティマ(シマノ)
軽い、反発力が高く、瞬発的なキャストでもルアーが飛ぶ、高感度…
って、皆が思うフルカーボンその中でもカーボン故の性格が出やすいロッド
そのイメージを地で行ってるモデルが多いと思います
その高性能の反面、高価格。
ハイカーボンはその高弾性と引き換えに安易に強度が出ないため、レイヤー加工に腕も手間もかかるためだ。
復元力に優れ、ルアーがバシバシと容易に動くなどメリットが多い現代のルアーロッドの主流
使うカーボン素材、そしてどう加工するか?により特性が大きく異なるのも特徴だ
〜フルグラスロッド〜
今ではかなり少数派。ダイワさんのレジェンドVIP、メガバスさんの初代トマホーク
現役アメリカ系(セントクロイとか)ではいまだに人気ぽい。
新品で手に取りやすいとなるとレジットデザインさんのWSC-G66ML(北大佑さんモデル)
その特性は
弾性が低く、素直に良く曲がり、折れ強度が高い(強い)
つまりは、魚のアタリをはじきにくく、ショートバイトをオートマチックに絡め取りやすい
ロッドの復元が遅いのでルアーがボトムや枝を拾いにくい、キャスト時に曲がっている時間が長いので、リリースポイントが掴みやすい
低い負荷から曲がるのでキャスト可能なウェイトレンジが広い
など、見ての通り、巻物(クランク、スピナベ)などにメリットの多い特性だ
相反して、自重が重くなりがち、捻れやすく、バットのコシの強さが出しにくいため、キャストコントロールに癖がある。
素直に低負荷でも曲がるが故にテキサスなどでボトムを探るような釣りに感度は望めない...
近代的な高反発ロッドを標準としたルアーフィッシングには考えるなぁって部分も少なからず
もう、投げたことない人は1投で明確に違いが分かるよ!
で、そのグラスの良さを生かしつつカーボンの特性も活かす、もしくはカーボンのピーキーさをグラスでフォローするのが
グラスコンポジット
ダイワさんのタトゥーラエリート大森さんモデルはグラスメインにカーボンでサポート(グラス80%程度、カーボン20%程度かな)
シマノさんのエクスプライド163ML-Gってモデルになると60%ほどグラスの40%カーボン
逆に天龍さんのスピードスティックやエクスプライド1610MGはカーボンがほぼ90%とカーボンメイン
と、同じグラスコンポジットでもこんだけ差があるわけ…で、グラコンといえど一概に同じものとは言えない
もう、どんな味付けにするか?は作り手の意思と、どこを狙うか?なのですが
HUNTERSの狙いは
1、基本的にはカーボンの特性を生かす
2、その上で強度とアクションを出し、使いやすい竿にする
3、ルアーの使用範囲を多くする
この3つを目的にグラスコンポジットを選択
使い慣れた24tカーボンをメインに、グラス素材を約3割ほどコンポジット
(ブランク断面、この白いのがガラス繊維だ)
結果、この価格帯のマルチピースロッドとしては“強く”“曲がり&粘り”“バラしにくい”竿にできた
HT-6/7、HT-7/8の2機種は60度検品で10kgリフトをクリア
パックロッド(50cm仕舞)この仕様感でリフトアップ強度出してって、実は相当大変なのよ?
そして見ての通り、異様なくらいにベンドカーブが綺麗
HT-6/7で4kgリフト
曲がる竿は折れにくい!
グラス素材の特性として、ロッドにルアーのウェイトが乗りやすい
“怪魚ロッドは硬い”って謎の通説?から拍子抜けするくらい(?)
ティップがスッと低負荷から入り、荷重がかかるに釣れてベリーへとテーパーが移行
すなわち容易にロッド全体にルアーの重みを乗せられる為、投げ易い
ただし、バットまでフルムーンに曲がっては“コシ”がない、キャストも魚もコントロールできない竿になっちゃう
だからバット部分はパワフル&頑強に設計
曲がるとなったらここまで曲がるが、バットは死んでない。
(HT-7/8&メガドッグ)
ロッドの“粘り”については魚がヒットしてからも重要なポイントで
ビッグベイトや重量級の大型ルアーを使用していていると魚をバラし易い(ジギングやったことある人なら理解できるはず)
が、グラスコンポジットの特性として、竿がオートマチックに魚のファイトに絡みつきながら追従しバラしにくい
バラしにくさ、コントロール性の高さ、強度、モバイル性能の両立
グラス混合比率はもとより、弾性やアクション、
ロッドしての特性を設計製造管理できるのがパックロッド、中でも並継構造の強みだ!
“コンパクトなだけがパックロッドじゃない!”ってことさ
で?ディアモンはどうか?
というと
ディアモンは全モデル複数の弾性(低弾性、中断性、高弾性)の様々なプリプレグを組み合わせた“フルカーボンブランク”
ティップのしなやかさも、芯の入ったようなシャキッとしたバットのコシの強さも、魚をモリモリリフトアップさせる弾性も全てセクション毎のカーボン素材の&加工方法の使い分けで作り上げてます
コントロール性の良い、シャープな振り抜き性格を出し易いのがカーボンブランクの特徴
(強度、軽さ、使い易いさ両立するのは大変)
正直手間もかかるし、素材も設計から加工までかかる手間も多くて高価格に成らざるを得ない
けど、
軽くてしなやか
魚がモリモリ寄ってきて
底物使っても感度も良い!(MZ-7はその性格が一番出たロッドかも)
そんな拘り、目に見えないんだけど、だからこそロッドは面白いのかも
HUNTERSシリーズは低価格ながらも旅に耐えるタフネスさ、コンパクトさ、実用性、守備範囲の広さを持つ。
そして最初の1尾との出会いを逃さない、グラスコンポジットブランクを使用
ブランクだけでこんな長くなってしまったw
次回からはトランスフォーム機構、ガイドからグリップパーツ等々やっていこう
それでは〜
ヨシダ